漏斗胸の子猫(2012.8.5)

川越で前脚先が欠損した猫を保護してくださった会員Kさん。
今度は清瀬市内の公園のトイレに捨てられていた子猫2匹を保護。
ところがそのうちの1匹が「重度の漏斗胸と診断された」とメールがあったのは先月のことです。

最初は普通の健康な子猫と変わらなかったそうです。

一緒に保護した兄弟猫が風邪気味だったため隔離し、1匹ずつケージに入れていたのが、風邪が直って同居させた途端、喜んで2匹で遊び出し、遊んだあとにこの子だけ口をあけて苦しそうに呼吸をするので、初めておかしい・・・と気づいたそうです。

「漏斗胸」と聞いても、あまり聞き慣れない言葉ですので、ピンと来ないかもしれません。
簡単に言ってしまうと、先天的に肋骨の一部がへこんでいる症状です。

もちろん猫特有のものではなく、人にも犬にも漏斗胸はあります。
人の場合は、片方の胸だけがポコッとへこんでいるため、へこんでいないほうの胸と比べると目立つこともあるようです。

実は私自身、小学生のときに漏斗胸と診断され、心配した母に連れられて大学病院に行ったこともあります。幸い軽度のもので、要は見た目だけの問題。特に治療は必要としませんでした。

ところが、今回の子猫ちゃん、重度の漏斗胸と診断されたということです。肋骨が体の内側に向かってへこんでいるので、心臓や肺を圧迫。そのために、少しの運動で呼吸困難になってしまう。これから成長するにつれて、もし、肋骨がさらに内側に向かってへこんでいったら、自分の肋骨で肺や心臓を押しつぶしてしまうことになります。

Kさんは情報を集めて、漏斗胸の治療ができる病院にたどりついたそうです。
つい2日前に、次のようなメールが来ました。

「手術から1週間がたち、一時帰宅することになりました。今は胸骨に糸をかけて引っ張ってギプスに固定しています。

「1週間後に診察してみてたぶん糸を張り直し、また様子をみます。これを4回くらいくりかえして骨が外側に向かって成長をはじめれば治療が終わりです。

「でも心臓のそばに針を通す一番危険な手術が成功したわけで、あとは忍耐です。猫には理解できないから、ただつらい思いをしているだけでそこがかわいそうです。

「今、動物病院から帰る途中ですが、ギプスをしてエリザベスカラーをつけているので怒りっぱなしです。頑張ってもらうより他ありません。」

この手術は生後3ヶ月までの小さい子猫にしかできないそうです。
肋骨がまだ柔らかいうちに、外側へ引っ張り、テンションをかける。
肋骨を切断して反転させてくっつける手術もあるそうですが、それよりは遥かに危険度は低い。
それでも成功するかどうかはわかりません。

何もわからない子猫にとって、相当のストレスに違いありません。
ですが、それを見守るKさんが誰よりもつらいことでしょう。
どうか早くよくなりますように。

まだ治療中ですが、もし同じような症状の子猫がいたらと思い、今回Kさんにお願いしてブログに掲載させていただきました。

猫は飼い主を選べません。自らの症状を伝えることもできません。
自分から「具合が悪いので」と病院に行くこともできません。

もし、すぐに呼吸困難になり、胸が薄くて動きが鈍い子猫がいた場合。
別の病気の可能性の方が高いかもしれません。
ですが、漏斗胸の場合もありますので、できるだけ早めに、かかりつけの病院で確定診断をとってあげてください。

また、いずれKさんが治療経過を報告してくださるとのことです。
良いお知らせができると信じています。
祈っています。
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by kiyoseneko | 2012-08-05 13:28 | 猫の健康と病気 | Comments(0)